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臨時休診のお知らせ/4月の臨時休診はありません。4月12日(土)は代診医師(瀧 真子 医師)による診察となります。よろしくお願いいたします。
アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎ATOPIC DERMATITIS

アトピー性皮膚炎は、乳幼児期から始まることが多い、慢性的な皮膚の炎症です。
小児のアトピー性皮膚炎は、かゆみを伴う湿疹が特徴で、顔や体幹、四肢などに発現します。 症状の重症度は個人差が大きく、軽症の場合は乾燥肌程度で済むこともありますが、重症の場合は全身に広がり、日常生活に大きな支障をきたすこともあります。 乳幼児期には、一時的な乳児湿疹かどうか、スキンケアや外用薬を使用した治療を行いながら経過をよくみて判断する必要があります。

アトピー性皮膚炎の症状

アトピー性皮膚炎は下記のような症状があります。

  • 肌の赤み(湿疹を伴うこともある)、かゆみ
  • かさかさとした乾燥肌
  • 皮膚がごわごわとしてかさぶたになる
  • ぶつぶつ、ぷつぷつとした発疹
  • じゅくじゅくとした水分の多い湿疹
  • ごつごつしたしこりのような湿疹

アトピー性皮膚炎の原因

アトピー性皮膚炎の原因は完全に解明されていませんが、以下の要因が複雑に絡み合っていると考えられています。

遺伝的要因

特定の遺伝子がアトピー性皮膚炎の発症リスクを高めることが知られており、家族歴のある人は発症リスクが高くなります。しかし、遺伝子だけで発症を決定づけるわけではなく、環境要因も大きく影響します。

皮膚バリア機能
の異常

アトピー性皮膚炎の患者さんでは、皮膚のバリア機能が低下しており、アレルゲンや刺激物質が皮膚に入り込みやすくなっています。これにより、炎症反応が引き起こされます。

環境要因

ハウスダスト、ダニ、花粉などのアレルゲン、乾燥した空気、刺激性の強い石鹸や洗剤、ストレス、睡眠不足などが、症状を悪化させるトリガーとなります。

アトピー性皮膚炎の治療

アトピー性皮膚炎の治療は、症状の重症度や年齢に応じて適切な治療法が選択されます。 従来は、ステロイド外用薬、保湿剤、抗ヒスタミン薬などが中心的な治療法でしたが、近年では、より効果的な生物学的製剤が開発され、治療の選択肢が広がっています。

ステロイド外用薬

症を抑える効果が強く、症状が強い場合に用いられます。
適切な使用方法を守ることが重要です。

保湿剤

皮膚の乾燥を防ぎ、バリア機能を改善することで、症状の悪化を防ぎます。
こまめな保湿が重要です。

抗ヒスタミン薬

かゆみを軽減する効果があります。内服薬と外用薬があります。

生物学的製剤

アトピー性皮膚炎の治療において、近年、生物学的製剤であるミチーガ(レブリマブ)、デュピクセント(デュピルマブ)、リンヴォック(ウパドルマブ)が注目を集めています。
これらは、従来のステロイドや保湿剤では効果が不十分な中等症から重症の患者に用いられ、炎症反応に関与する特定のサイトカイン(IL-4、IL-13など)の働きを阻害することで、かゆみ、湿疹などの症状を改善します。 デュピクセントはIL-4/IL-13受容体、ミチーガはIL-13、リンヴォックはIL-4/IL-13をそれぞれ標的とします。 いずれも効果は高いものの、副作用や費用面も考慮し、医師と相談の上で最適な治療法を選択することが重要です。 当院では、患者さんの症状に合わせてこれらの生物学的製剤を用いて治療にあたっています。
なお、生物学的製剤を用いた治療の対象者は6歳以上としております。

日常生活で注意すること

日常生活においても、アトピー性皮膚炎の症状を悪化させないための注意が必要です。

保湿

こまめな保湿が最も重要です。乾燥した空気や刺激から皮膚を守るため、適切な保湿剤を選び、こまめに塗布しましょう。

入浴

石鹸やボディーソープなどはしっかり泡だててから使用するようにしてください。湯船で温まりすぎると入浴後のかゆみが強くなりますので長湯は避け、入浴後はすぐに保湿しましょう。

衣類

通気性の良い綿素材の衣類を選び、摩擦を避けるようにしましょう。

アレルゲン回避

ダニ、ハウスダスト、花粉など、アレルゲンとなる可能性のある物質を避けましょう。

爪のケア

かゆみを掻きむしることで症状が悪化するため、爪を短く切り、清潔に保ちましょう。

紫外線対策

紫外線は皮膚への刺激となるため、日焼け止めを塗布しましょう。ただし、ステロイド外用薬を使用中は、紫外線に当たると皮膚への刺激が強くなるため注意が必要です。

アトピー性皮膚炎は完治が難しい疾患ですが、適切な治療と日常生活の注意によって2~3才までに7~8割の方は症状を改善できる可能性があります。
何かお子さんのお肌で心配なことがあるときは一度受診することをおすすめします。